愛がなければ世界は無だ、ということについて

エスティズムという哲学の発展やら何やらをめざすブログ

新しい倫理哲学の提案 または、愛がなければ世界は無だ、ということについて

これは私の考えた(多分)新しい倫理哲学について書いた文章だ。この哲学の元になるアイデアは20年以上も前に思い付いて温めてきた。その間、明らかな間違いや狂った結論を導くなどの大きな瑕疵も見つからず、調べた限り既出でもなさそうなので、ここにまと…

同性婚と近親婚の関係について

増田で面白そうな議論を見つけたので、たまには時事ネタにのっかってみる。 anond.hatelabo.jp 同性婚と近親婚は性質が異なり、前者を認める人が後者も認めざるを得ないとは必ずしもならないだろう。しかし論者の立場によっては両方を認めないと整合性がとれ…

文化や芸術、学問――ミームの価値について

文化というものにどれほどの価値があるのかという疑問には様々な立場があり議論がある。 ここではエスティズムにおいての文化(ミーム)の価値について論じてみる。生存を価値とするこの思想においてミームの価値は低いように思えるかもしれないがそうではな…

倫理学における思考実験と、その濫用の可能性について

サンデル教授の『これからの「正義」の話をしよう』を読み返している。 この本には数々の思考実験が登場するが、その中にテロリストを拷問すべきかどうかという思考実験が登場する。 (前略)あなたはアメリカ中央情報局(CIA)のある地区支局のトップだ…

進化倫理学入門の読書メモ④、ヒュームの法則

最後は(なんかちょっとだけ時間が空いたような気がするが)ヒュームの法則について。 概要 まず、「ヒュームの法則」とは何なのか。 我々の用語で言えば、ヒュームは事実に関する言明と価値に関する言明は「まったく異なる」ということを認識していたのであ…

進化倫理学入門読書メモ③、進化論的実在論

進化倫理学入門作者:スコット・ジェイムズ名古屋大学出版会Amazon 進化倫理学入門読書メモの3回目は進化論的実在論について。 進化的実在論の可能性について 議論するに当たって進化論的実在論の用語の意味を確認したいのだが、前回少し触れたように混乱があ…

「進化倫理学入門」読書メモ② 道徳の定義、進化論的反実在論

www.amazon.co.jp 進化倫理学入門の読書メモの2回目。テーマは道徳の定義、それから進化論的反実在論についても検証する。1回目はこちら(https://estism.hatenablog.com/entry/2021/05/05/124944)へどうぞ。 まずは定義から 少しでもましな議論をするため…

「進化倫理学入門」読書メモ① 道徳の生得性とか、そのへん

「進化倫理学入門」を読了した(わーい)。気になった点やら議論の種になりそうなところについて、何回かに分けて読書メモを書いてみる。 www.amazon.co.jp 本自体の感想だが、全体的に平易で読みやすい。入門としては持ってこいの本ではないだろうか。冗長…